自分のデキなさに踊らされ…コウメ太夫の“チクショー人生”
彼のような「歌って踊る人生」に憧れ、ジャニーズ事務所や「ミスター日本」のオーディションに応募する。だが、結果はやはり不合格。その後も、さまざまなオーディションを受けるが、ほとんどはダメ。そんな中で唯一、コウメを受け入れてくれたのが、梅沢富美男主宰の劇団だった。
そこで女形となり、着物の着付けや化粧を覚え、踊りを習った。毎月の給料も出る高待遇。しかも「歌って踊る人生」だ。しかし、コウメは劇団を辞めてしまう。
「このままここに居ても、トップである梅沢さんを超えることは出来ない」(新潮社=山田ルイ53世著「一発屋芸人列伝」18年5月31日発売)と。
お笑い芸人を目指し、活動を開始。やがて、お笑い界ではまだ誰も手をつけていなかった「女形」に目をつけると、そのキャラが「エンタの神様」(日本テレビ)のスタッフの目に留まった。
ディレクターたちがコウメのネタをブラッシュアップしていく。だが、コウメは彼らが作った「わたくし、狂い咲きのコウメ太夫と申します。つれづれなるままに書き散らした『コウメ日記』、お聞きくだされ?」という出だしのセリフすら覚えられない、できなさっぷり。