好発進“クドカン流”NHK大河「いだてん」を識者はどう見た
NHK大河ドラマ「いだてん~東京オリムピック噺」が6日からスタートした。平均視聴率は昨年の「西郷どん」の初回平均15.4%を0.1ポイント上回る15.5%(関東地区、ビデオリサーチ調べ)。
初回は、ビートたけし扮する落語家の古今亭志ん生が案内役。1964年の東京五輪から約50年前となる「第5回五輪 ストックホルム大会」(1912年)で、日本人がオリンピックに初参加するいきさつが描かれた。
ドラマ前半の主役は、歌舞伎役者の中村勘九郎演じる日本人初のオリンピアンとなる金栗四三。脚本は朝ドラ「あまちゃん」の宮藤官九郎。大河初挑戦で、86年「いのち」以来、33年ぶりとなる近現代を舞台としたオリジナルだ。
作家の麻生千晶氏は、「3話くらい見てみないと評価はできませんが」とした上で、初回の印象をこう話す。
「いい点は、クドカン作品だけあって非常にテンポがいいところ。時代考証もよくされていて、歴史もよく勉強されていると思います。脚本に合わせた演出なのか、やや重厚感にかけましたが、役所広司さんが出てきたことで作品のバックボーンがきっちり見えました。悪い点は、果たして、今の中村勘九郎さんに大河の主役を張る風格があるのかということ。歌舞伎の舞台では売り出し中のようですが、天下の(中村)勘三郎の息子だから間違いないだろうという、NHKの安易な視聴率狙いの思惑が透けてみえなくもない。いずれにせよ、勘九郎さんが今後どう頑張るか、東京五輪をいかに描いていくかはこれからです」