著者のコラム一覧
本橋信宏作家

1956年、埼玉県所沢市生まれ。早稲田大学政治経済学部卒。私小説的手法による庶民史をライフワークとしている。バブル焼け跡派と自称。執筆はノンフィクション・小説・エッセー・評論まで幅広い。“東京の異界シリーズ”第5弾「高田馬場アンダーグラウンド」(駒草出版)発売中。「全裸監督 村西とおる伝」(新潮文庫)が、山田孝之主演でNetflixから世界190カ国同時配信決定。

病床の堀江しのぶを守るため“天敵”梨元勝にメディア対応依頼

公開日: 更新日:

 タイムリミットが近づく。

 堀江しのぶの死がメディアに伝われば猛烈な取材攻勢が野田と堀江しのぶの両親に向かうだろう。野田は芸能人スキャンダルを追う側のリポーターの梨元勝とは相いれない側にいるのだが、あえて梨元にメディア側の仕切りを頼んだ。

「“今日が限度です”と医師から連絡が入ったとき、おれ、六本木のアマンドに梨元を呼んで頼んだのを覚えているんだ」

 野田の思いを察知した梨元勝は、自分だけが知ったアイドルの余命をスクープすることもせず、メディア側の対応を仕切る約束をした。

 余命は今日限りと告げられていた。

 野田は愛車、中古の真っ赤なスプリンターを駆って東名高速をひた走る。

 しのぶ、よくやったよ。

 おまえ、えらいよ。

 猛スピードで飛ばす。

 いくら飛ばしても景色は止まっているかのようだった。名古屋インターを降りて入院先の中京病院に車を滑り込ませた。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大友康平「HOUND DOG」45周年ライブで観客からヤジ! 同い年の仲良しサザン桑田佳祐と比較されがちなワケ

  2. 2

    阪神・西勇輝いよいよ崖っぷち…ベテランの矜持すら見せられず大炎上に藤川監督は強権発動

  3. 3

    歌手・中孝介が銭湯で「やった」こと…不同意性行容疑で現行犯逮捕

  4. 4

    佐々木朗希の足を引っ張りかねない捕手問題…正妻スミスにはメジャー「ワーストクラス」の数字ずらり

  5. 5

    阪神・藤川監督が酔っぱらって口を衝いた打倒巨人「怪気炎」→掲載自粛要請で幻に

  1. 6

    巨人・小林誠司に“再婚相手”見つかった? 阿部監督が思い描く「田中将大復活」への青写真

  2. 7

    早実初等部が慶応幼稚舎に太刀打ちできない「伝統」以外の決定的な差

  3. 8

    「夢の超特急」計画の裏で住民困惑…愛知県春日井市で田んぼ・池・井戸が突然枯れた!

  4. 9

    フジテレビを救うのは経歴ピカピカの社外取締役ではなく“営業の猛者”と呼ばれる女性プロパーか?

  5. 10

    阪神からの戦力外通告「全内幕」…四方八方から《辞めた方が身のためや》と現役続行を反対された