堀江しのぶがスキルス性胃がんと判明 余命2か月の宣告に…
野田義治が白衣の医師に呼ばれた。
レントゲン写真を前にして医師が言葉を発した。
「実は……スキルス性胃がんです。残念ながら、もってあと2カ月でしょう」
31年後。
このときの衝撃を野田が回想する。
「ほんとにね、頭って真っ白になるんですね。何も考えられないっていうのか。どうして、どうしてうちの子なんだ。“ご両親を呼んでくれ”と言われたんだけど、どんな顔して会ったらいいのか。もうイヤでした。名古屋から東京の病院に呼ぶまでに4時間くらいかかったのかな」
スキルス性とはがんのなかでも最もたちの悪いもので、粘膜層の下に広がっていくがんである。スキルスの語源はギリシャ語のskirrhos(硬い腫瘍)からきている。粘膜の下で増殖するために発見が遅れ、しかも増殖スピードが速いために、致死率も高い。
スキルス性胃がんの病名は堀江しのぶの闘病で広く知られるようになり、その後、アナウンサーの逸見政孝、漫画の神様・手塚治虫、といった著名人がこの病で命を奪われた。