どこで道を間違えた?吉本・岡本社長に学ぶ失敗のセオリー
だが時すでに遅し。岡本氏は大幅減俸に追い込まれた。社長が自分で自分の首を絞めるとはまるでヘタなドラマみたいだ。こんな人物が芸人6000人を束ねる組織の長とはお粗末きわまりない。
岡本氏はどこで道を間違えたのか。
「宮迫さんらが金銭を受け取ったと報告した時点で謝罪会見を開かせればよかったのです。岡本氏も『私にも責任があります』と頭を下げれば美談で終わったはずなのに、現実は正反対になってしまった。これから岡本氏がやるべきことは宮迫さんらとの“手打ち”。さんまさんと松本さんに間に入ってもらい、宮迫さんと握手する姿を公表しないと、吉本興業の信用回復は難しい。自分自身の信用回復はそのあとの問題です」
鶴田氏によると最近、経営のテキストとして江戸時代の儒学者・佐藤一斎の「重職心得箇条」が注目されている。そこには「部下の基本心理は服従なのだから、上役は無理を押し付けたり、自分の威厳を見せつけてはいけない」「心の狭いふるまいをするな」と記されているという。いまの岡本氏以上にこの教訓が必要な人物はいないだろう。