巧い上に強い下ネタに命張るどぶろっく江口は太宰タイプ
初めてやったネタは、ビートたけしの映画をオマージュしたようなもの。自分たちのスタイルができるまでは、ケンカが絶えなかったという。だが、下ネタの歌という武器を手にしてからは変わった。森が言う。
「コントだとお互い言い合いや細かい注文が多かったんですけど、歌ネタだけはネタ合わせでぶつかり合いがないんです。相手がやることをすんなり受け入れて、江口がそういくならこういこうかって話が早い」(同前)
今でも月に1度、多いときは週1で稽古場で会い、ネタ合わせより前にお互いの愚痴を聞き合っているという。自ら「太宰治タイプ」だという江口は不安をため込んでしまいがち。だからそれを振り払わなければいけない、と。森は江口の話を聞いていると自分の悩みは大したことない、と自分も元気になる。互いにとって大事な時間なのだ。
小学校の頃、江口はテレビでビートたけしが「おネエちゃん、ヤラせて」と言っているのを見て電撃が走った。「人前でいつかこういうことを言いたい」と今の芸風にたどり着いたという(「東京スポーツ」15年2月23日)。