苦闘14年…天才芸術家・草間彌生の生き様を追い続けた理由
草間彌生と聞いて、イメージする人物像は? おそらく強迫神経症やうつ病と闘いながらも作品を生み出す天才芸術家といったところだろう。22日公開のドキュメンタリー映画「草間彌生∞INFINITY」(パルコ配給)では、ミステリアスな彼女の人生と才能を丁寧かつ繊細に描いている。ヘザー・レンズ監督は、なぜ草間を撮ろうと思ったのか。
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「草間彌生を知ったのは1990年代の初め。当時、彼女に関する本はたった1冊でした。アート界に貢献しているのに、功績が認められていない。強烈な個性で誤解されることも少なくなく、正しく評価されていないと感じました」
草間を選んだ理由に“日本人女性”ということは関係なかった。しかし、知っていくなかでどんどんそのことが重要になっていく。
「芸術家になるという大志を抱いて単身渡米したのが、1957年。女性は結婚して子どもを産むことを望まれていた時代に、日本人女性が夢のために行動を起こした。周囲からの厳しい目は推して知るべしです」