「裁きを望む」上川隆也を直撃「自分を過信しなくなった」
「自分としてはそんなことはなくて、いただいた場で求められていることを探るのみです。バラエティーはお役に立てればいいと思うくらいで、ご迷惑をおかけしないことを念頭に置いています」
――年を重ね、仕事の取り組み方は変わったのだろうか。
「自分を過信しなくなりました。20代の舞台を走り回っていた頃とは体力も違うし、自分に対する評価もある種定まり、自分にできることとできないことの見極めがついて、できたことを素直に喜べる。できないことに憤りを感じることもなくなりました。若い頃は自分を過信しているからこそ挑戦もできるし、失敗から得られる経験もあるのですが」
――54歳とはどういう感覚なのだろうか。
「年齢というより、同じことを繰り返しながら感じることの違いを味わっているという感じでしょうか。ひとつの仕事を続けられることは決して簡単じゃないと思うので、役者というひとつのフィルターを通して見ていられることが幸せ。今回のドラマの検事・佐方も2015年から一緒に歩んでいることが役者として何よりです。法に愚直なところが愛おしい、佐方という役をライフワークのひとつにできたらと思います」
(聞き手=岩渕景子/日刊ゲンダイ)