著者のコラム一覧
古谷彰子愛国学園短期大学准教授

早稲田大学大学院卒。早稲田大学時間栄養学研究所招聘研究員、愛国学園短期大学准教授、アスリートフードマイスター認定講師。「食べる時間を変えれば健康になる 時間栄養学入門」「時間栄養学が明らかにした『食べ方』の法則」(ともにディスカヴァー・トゥエンティワン)などがある。

【発酵あんこ】血糖値抑制、ストレス軽減、睡眠の質向上にも役立つ甘味料

公開日: 更新日:

 発酵あんこは、砂糖を使わず米麹の糖化作用を利用して自然な甘みを引き出した食品で、現代の健康志向に合った新しい形の甘味料として注目されています。その歴史は比較的新しいのですが、背景には日本の伝統的な発酵食品文化と、あんこの長い歴史が深く関わっています。

 あんこは日本において古くから親しまれてきた甘味料で、奈良時代に中国から伝わった小豆の煮物がルーツとされます。鎌倉時代には、砂糖を用いずに塩で味付けをした「塩餡」が食べられていたといわれてます。江戸時代になると砂糖が普及し、甘味を加えた現在のようなあんこの形が広まったといわれています。一方で、日本では古代から米麹を使った発酵食品が多く存在し、味噌や甘酒、漬物など、発酵の技術が生活の中で幅広く活用されてきました。

 発酵あんこが一般的に作られるようになったのは、近年の健康志向や砂糖摂取の見直しがきっかけです。茹でた小豆に米麹を加え、一定の温度で発酵させることで、小豆のデンプンが麹菌の酵素により分解され、自然な甘みが生まれます。この工程により、砂糖を加える必要がないため、低糖質でありながらしっかりとした甘みが感じられるのが特徴なのです。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    演技とイケオジぶりで再ブレーク草彅剛と「10億円マンション売却説」中居正広氏との“絆”

  2. 2

    泉ピン子が終活をやめたワケ「渡る世間は(水原)一平ばかり!」スペシャルインタビュー

  3. 3

    阪神からの戦力外通告「全内幕」…四方八方から《辞めた方が身のためや》と現役続行を反対された

  4. 4

    キムタク一家の妹Kōki,は映画主演の裏で…フルート奏者の姉Cocomiの話題作りと現在

  5. 5

    かんぽ生命×第一生命HD 人生設計に大切な保険を扱う大手2社を比較

  1. 6

    米田哲也が万引きで逮捕!殿堂入りレジェンド350勝投手の悲しい近況…《苦しい生活を送っていたのは確か》

  2. 7

    イスラエルにあなたの年金が流れていく…厚労省「ジェノサイド加担投資」引き揚げ“断固拒否”の不可解

  3. 8

    坂本花織の世界選手権66年ぶり4連覇に立ちはだかる…国際スケート連盟の「反トランプ感情」

  4. 9

    カーリング日本女子が到底真似できない中国の「トンデモ強化策」…世界選手権では明暗クッキリ

  5. 10

    公表された重点施策で露呈…JR東海の株価低迷と時代遅れの収益構造