51歳でも2時間“歌って踊れる” 元CHA-CHA木野正人さんは今

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「(20年後)歌って踊ってますかね……。それにはもう本当に、医療の発展しかないんじゃないですかね(笑)。もちろん自分でも努力できることはしたいと思いますし、歌って踊れたらいいですけどね」

 11月25日、今年デビュー20周年を迎えた嵐の松本潤(36)がJALの新特別塗装機イベントで、20年後の自分について話が及ぶと、こう語ったという。たしかに、56歳という遠い未来の姿は想像すらできないだろう。

 だが、50歳を過ぎても、2時間歌って踊れる先輩は存在している――。

 12月1日、元CHA-CHAの木野正人(51)が静岡・藤枝の「beer hall GOV」でライブを行なった。上下白いスーツ姿で登場した木野はCHA-CHAの「Beginning」「ボクらの夢によろしく」「僕たちのこの地球で」などを歌唱。マイケル・ジャクソンの「Billie Jean」では銀のスパンコールが埋められた黒い衣装をまとい、ムーンウォークも繰り出し、マイケルさながらの身のこなしを見せた。

 ライブ中盤には、9月4日に東京ドームで行われたジャニー喜多川氏(享年87)のお別れ会で舞った銀の紙テープをスタンドマイクに巻き付けて「白いレリーフ」を歌い、ジャニー氏に捧げるダンスメドレーとして「A・RA・SHI~仮面舞踏会空ダイヤモンドアイズ」を自身のオリジナル振付も交えながら踊り、「It's BAD」で締めた。

 木野は足を高く上げる際も、上体が前屈みにならず、90度垂直のまま。体脂肪率5%の男は一貫して軸をぶらさず、苦しそうな表情を見せることもなく、さらっと踊り続けた。何年にも及ぶ試行錯誤を経て、体の使い方に関する独自の理論を構築したことで、50歳を超えても無尽蔵のスタミナを保っている。

 アンコールではマイケルの「Smooth Criminal」、田原俊彦の「抱きしめてTONIGHT」を披露し、約2時間で全19曲のパフォーマンスを演じ切った。

■ジャニー氏は「YOUは120点だから呼んだ」と言った

 木野の芸能人生は、ジャニーズ事務所に自作のダンスビデオを送った1986年の夏に始まった。映像を見てすぐ合格を決めたジャニー氏が、静岡の自宅に自らから電話をかけたのだ。翌年、木野が高校卒業を目前に控え、就職するかジャニーズ事務所で芸能活動を続けるか悩むと、ジャニー氏はこう告げた。

「東京の子は80点でも呼べるけど、地方の子は100点でも呼べない。YOUは120点だから呼んだんだ」

 この言葉で、木野の迷いは吹っ切れた。87年に少年隊の「stripe blue」、88年に田原俊彦の「抱きしめてTONIGHT」でバックダンサーに抜擢され、脚光を浴びる。同年にCHA-CHAのメンバーとして「Beginning」でデビューした。

 しかし、順調にスターの階段を駆け上がっていた90年、木野は予想外の行動に出る。CHA-CHAを脱退し、ジャニーズ事務所も退所。全てを断ち切って、ロサンゼルスへダンス留学したのだ。トラヴィス・ペインと同じアパートに住み、一緒にオーディションに行くなど親交を深めた。

 マイケルのバックダンサーになる夢は叶えられなかったが、38歳の07年3月に「マイケル・ジャクソン VIPパーティー」でオリジナルのマイケルリミックスを踊ると、マイケル本人に「You are very creative!」と称賛された。

 そして50歳を超えたいまも、木野は変わらずに踊り続けている。

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