紅白の視聴率一人勝ち時代は終了 大晦日特番は個人を狙う
夫婦と子供2人の標準世帯にテレビは1台――という時代に設計された世帯視聴率では、実際のテレビの見られ方を反映しなくなっている。去年の大晦日の「ガキの使い」の世帯視聴率は19・5%(関西地区)と「紅白」の半分だったが、個人視聴率ではいい勝負になっているのかもしれない。
NHKも若者に紅白を見てもらおうと、あれこれ仕掛けてはいるのだが、今年は出はなをくじかれてしまった。地上波番組をネットでも流す「常時同時配信」のデモンストレーションとして、紅白をスマホやパソコンで見られるようにできないかと考えたようだが、高市早苗総務相に同時配信そのものに待ったをかけられてしまったのだ。NHKは配信事業の縮小など総務省の意向を盛り込んだ改革案を大急ぎで提出したが、認可判断は年が明けてからと先延ばしされ、紅白をテスト的に配信することも難しくなってしまった。
高市大臣は同時配信でNHKがいよいよ一人勝ちになるのは許さんというわけなのだが、大晦日の夜もNHK紅白の一人勝ちという時代は終わった。
(コラムニスト・海原かみな)