「テセウス」評価二分 澤部にあってせいやに足りないもの
「最終回にチラッと登場するだけで〈だから坊主頭か〉などと話題になる澤部さんは“棚ぼた感”もありますが、そもそも彼には、画面に出てきた瞬間に視聴者を引きつける力がある。『テセウスの船』では、芸人の澤部さんそのままのキャラといった役柄でしたが、昨年放送されたNHKの連ドラ『だから私は推しました』で刑事を演じた時には、対照的に出しゃばりすぎず、抑制の利いた演技を見せていた。澤部さんのほうが役者としての“地力”で勝っているように思います」
抑制の利いた演技といえば、同じく高視聴率でフィニッシュしたTBS系の「恋はつづくよどこまでも」で、ヒロイン・佐倉七瀬(上白石萌音)の先輩看護師・沼津幸人を演じたお笑いコンビ「ミキ」の昴生(33)もそうだった。
「昴生さんも連ドラ初出演でしたが、悪目立ちすることもなく、ドラマの世界に馴染んでいたところに、役者としての才能を感じました。昨年公開のディズニー映画『ライオン・キング』で、日本語版の吹き替えに挑戦した弟・亜生さんも、そうです。芸人にとって感情を張る演技はお手のものでしょうが、そうした“芸人色”をどこまで薄められるか。せいやさんも怪演だったと思いますが、まだ力みを感じたし、一度は抑えた演技も見てみたい。評価するのはそれからですね」(エリザベス松本氏)
芸人で役者といえば、宮迫博之(49=雨上がり決死隊)や木下隆行(48=TKO)も活躍していたが、いずれも不祥事で“休業”状態に。取って代わるのは……。