ドラマ「M」盛り上げる 田中みな実の確信犯的キワモノぶり
第3話で止まっていた「M 愛すべき人がいて」が先週、ようやく再開された。原作は浜崎あゆみのデビューから成功までの軌跡と、プロデューサーだったエイベックスの松浦勝人との恋愛模様を描いた、小松成美の同名小説。脚本を手掛けるのは鈴木おさむだ。
ヒロインのアユ(安斉かれん)とマサ(三浦翔平)を、そのまま浜崎と松浦だと思っている視聴者はいないだろう。しかし他の女性アーティストとのライバル関係やいじめ、社内の覇権争いなど、「それに近いことはあったかもね」と見る側が想像するのは自由だ。このドラマ、「確信犯的キワモノ」なのである。
そのキワモノ感を一身に背負うのがマサの秘書、姫野礼香(田中みな実)だ。「あしたのジョー」の丹下段平や、「宇宙海賊キャプテンハーロック」の主人公のように、男性の眼帯キャラは珍しくない。だが礼香の「右目の眼帯」には意表を突かれ、笑ってしまった。
しかも田中みな実の異様な存在感。「悪いクスリでもやってるんじゃないか」と心配したくなるトンデモ演技だが、そこは元アナウンサー、やけにセリフがはっきり聞き取れるのが悲しい。
先週、眼帯の秘密が明かされたが、マサへの執着が本格的に爆発するのはこれからだ。リアル浜崎もドラマのアユも吹き飛ばす「女優・田中みな実」。その怪演は誰も止められないか……。