テーブルに台本を投げ出した桂文珍師匠が伝えたかったこと
続けて「本多はんはこんなんしまへんわな」と笑いながら急に私に振ってこられ、「あ……そうですね」と苦笑いで返すのがやっとでした。
何年も続いていた正月番組の恒例コーナーとして、師匠は内容も進行も熟知されていたのですが、“いつものこと”としてなあなあになっている空気にあえて苦言を呈されたのだと思います。
若手の構成作家さんたちを指導する時には、いつもこの話をさせてもらっています。「初心忘るべからず」。背筋の伸びた出来事でした。