著者のコラム一覧
二田一比古ジャーナリスト

福岡県出身。大学卒業後、「微笑」(祥伝社)の記者に。その後、「Emma」「週刊文春」(ともに文芸春秋)をはじめ、多くの週刊誌、スポーツ新聞で芸能分野を中心に幅広く取材、執筆を続ける。フリー転身後はコメンテーターとしても活躍。

57年の歴史に幕…男たちが“鉄の結束”を誇った「石原プロ」

公開日: 更新日:

 映画からドラマ制作に舵を切り、順風満帆だった石原プロに不運が襲ったのは1981年。裕次郎が解離性大動脈瘤で慶応病院に入院。生還率3%といわれたが、奇跡的に回復。退院するまでの間は奇跡を祈るように連日、病院に詰めかけたメディアのひとりだった。

 玄関横に設けられた仮設のテント内で事務所の人たちと懇談。日々の状態を聞くだけだったが、自然に親しくなった。国民が心配の目で見つめる裕次郎の病状のなかでも、週刊誌の狙いは独自の話と写真だった。かつて、女優の夏目雅子白血病で慶応病院に入院していた時、病室内の夏目の姿を窓越しに撮った写真誌があった。「また抜かれるのでは」という思いがあった。

 白衣で医者を装い中に入ろうと試みたカメラマンもいた。個人的な成果といえば、渡哲也と“独占立ち話”をしたぐらいだった。

トラブルや内輪揉めとは無縁

 これまで萬屋錦之介、高倉健、三船敏郎、勝新太郎らスター俳優が設立したプロダクションは金銭トラブルなどが多く、倒産した事務所もあったが、石原プロは内部で揉める材料もなかった。象徴的な存在として石原がいて、事務所には通称「コマサ」と呼ばれた小林正彦氏が番頭格として仕切る。俳優では渡哲也をリーダーとして神田正輝舘ひろしが参謀となりまとめた。まさに男の軍団。鉄壁の城だったことが長きにわたり続けられてきた要因だろう。対照的だったのは、映画製作まで手掛ける芸能プロの先駆けだった三船敏郎率いる「三船プロ」。2度にわたり内部分裂を起こすなど、芸能プロの歴史に残る騒動となった。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 芸能のアクセスランキング

  1. 1

    キムタクと9年近く交際も破局…通称“かおりん”を直撃すると

  2. 2

    中居正広の騒動拡大で木村拓哉ファンから聞こえるホンネ…「キムタクと他の4人、大きな差が付いたねぇ」などの声相次ぐ

  3. 3

    木村拓哉は《SMAPで一番まとも》中居正広の大炎上と年末年始特番での好印象で評価逆転

  4. 4

    中居謝罪も“アテンド疑惑”フジテレビに苦情殺到…「会見すべき」視聴者の声に同社の回答は?

  5. 5

    中居正広9000万円女性トラブル“上納疑惑”否定できず…視聴者を置き去りにするフジテレビの大罪

  1. 6

    中居正広はテレビ界でも浮いていた?「松本人志×霜月るな」のような“応援団”不在の深刻度

  2. 7

    フジテレビは中居正広で“緊急事態”に…清野菜名“月9”初主演作はNHKのノンフィクション番組が「渡りに船」になりそう

  3. 8

    中居正広の女性トラブルで元女優・若林志穂さん怒り再燃!大物ミュージシャン「N」に向けられる《私は一歩も引きません》宣言

  4. 9

    若林志穂vs長渕剛の対立で最も目についたのは「意味不明」「わからない」という感想だった

  5. 10

    中居正広「女性トラブル」に爆笑問題・太田光が“火に油”…フジは幹部のアテンド否定も被害女性は怒り心頭

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    相撲協会の逆鱗に触れた白鵬のメディア工作…イジメ黙認と隠蔽、変わらぬ傲慢ぶりの波紋と今後

  2. 2

    中居正広はテレビ界でも浮いていた?「松本人志×霜月るな」のような“応援団”不在の深刻度

  3. 3

    キムタクと9年近く交際も破局…通称“かおりん”を直撃すると

  4. 4

    《2025年に日本を出ます》…團十郎&占い師「突然ですが占ってもいいですか?」で"意味深トーク"の後味の悪さ

  5. 5

    ヤンキース、カブス、パドレスが佐々木朗希の「勝気な生意気根性」に付け入る…代理人はド軍との密約否定

  1. 6

    中居正広の女性トラブルで元女優・若林志穂さん怒り再燃!大物ミュージシャン「N」に向けられる《私は一歩も引きません》宣言

  2. 7

    結局《何をやってもキムタク》が功を奏した? 中居正広の騒動で最後に笑いそうな木村拓哉と工藤静香

  3. 8

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  4. 9

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  5. 10

    高校サッカーV前橋育英からJ入りゼロのなぜ? 英プレミアの三笘薫が優良モデルケース