著者のコラム一覧
ダンカンお笑いタレント・俳優・放送作家・脚本家

本名・飯塚実。1959年、埼玉県毛呂山町生まれ。落語家を目指し立川談志に弟子入り。「立川談かん」として活動した後、たけし軍団入り。お笑いタレント、俳優、放送作家、脚本家と多才で、現在はTAPの専務取締役。

弟子入りを請う俺に立川談志師匠が放った奇跡の言葉

公開日: 更新日:

 奇跡は信じられないことが起こるから「奇跡」と呼ぶ。1982年9月13日の池袋の夜に俺に舞い降りた出来事こそは、その後40年近くも芸能界でメシを食っていることを考えたら、まさしく「奇跡」以外のなにものでもないと、あの瞬間あの言葉を振り返り、思うのだ。

 金原亭馬生師匠の訃報の日、おまけに立川談志師匠への俺の弟子入りの世話役であった漫画家の高信太郎さんは、こともあろうに師匠に会うなり「初めまして……」と緊張しながら、耳を疑うような挨拶はするわ……(え~っ、旧知の仲のような口ぶりだったじゃないの~!?)。

 池袋演芸場での一門会の高座を終え、打ち上げをしていた飲み屋。その宴のお開き寸前に談志に呼ばれ、カラカラに渇き切った喉とあまりの緊張感から、その場の映像と音声がズレているような感覚を覚えながら、弟子入りの旨を伝え、談志の言葉を待った……。

 それは長い長い時間、永遠に終わらないもののようにさえ感じられた。

 師匠が口を開いた。俺の顔を上目づかいに睨んだと思ったら、次の瞬間まったく興味などないようなしぐさで(「さあ帰るとするかあ……」というくらいの無関心さ)「ま、居りゃあいいよ、あと下の弟子どもに聞いとけ……」。これ以上素っ気ない言葉はないと思えるほど短い言葉だった。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 芸能のアクセスランキング

  1. 1

    松本人志「事実無根」から一転、提訴取り下げの背景…黒塗りされた“大物タレント”を守るため?

  2. 2

    島田洋七が松本人志復帰説を一蹴…「視聴者は笑えない」「“天才”と周囲が持ち上げすぎ」と苦言

  3. 3

    人気作の続編「民王R」「トラベルナース」が明暗を分けたワケ…テレ朝の“続編戦略”は1勝1敗

  4. 4

    小泉今日子×小林聡美「団地のふたり」も《もう見ない》…“バディー”ドラマ「喧嘩シーン」への嫌悪感

  5. 5

    兵庫県知事選・斎藤元彦氏の勝因は「SNS戦略」って本当?TV情報番組では法規制に言及したタレントも

  1. 6

    松本人志が文春訴訟取り下げで失った「大切なもの」…焦点は復帰時期や謝罪会見ではない

  2. 7

    窪田正孝の人気を食っちゃった? NHK「宙わたる教室」金髪の小林虎之介が《心に刺さる》ファン増殖中

  3. 8

    井上真央ようやくかなった松本潤への“結婚お断り”宣言 これまで否定できなかった苦しい胸中

  4. 9

    菊川怜が選んだのはトロフィーワイフより母親…離婚で玉の輿7年半にピリオド、芸能界に返り咲き

  5. 10

    福山雅治は自宅に帰らず…吹石一恵と「6月離婚説」の真偽

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    西武ならレギュラー?FA権行使の阪神・原口文仁にオリ、楽天、ロッテからも意外な需要

  2. 2

    家族も困惑…阪神ドラ1大山悠輔を襲った“金本血縁”騒動

  3. 3

    9000人をリストラする日産自動車を“買収”するのは三菱商事か、ホンダなのか?

  4. 4

    兵庫県知事選・斎藤元彦氏の勝因は「SNS戦略」って本当?TV情報番組では法規制に言及したタレントも

  5. 5

    小泉今日子×小林聡美「団地のふたり」も《もう見ない》…“バディー”ドラマ「喧嘩シーン」への嫌悪感

  1. 6

    国内男子ツアーの惨状招いた「元凶」…虫食い日程、録画放送、低レベルなコース

  2. 7

    ヤンキース、カブス、パドレスが佐々木朗希の「勝気な生意気根性」に付け入る…代理人はド軍との密約否定

  3. 8

    首都圏の「住み続けたい駅」1位、2位の超意外! かつて人気の吉祥寺は46位、代官山は15位

  4. 9

    兵庫県知事選・斎藤元彦氏圧勝のウラ パワハラ疑惑の前職を勝たせた「同情論」と「陰謀論」

  5. 10

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇