“アマ出身”吉岡里帆は多彩な特技持つストイックな叩き上げ
演じるときには「ハチャメチャにやっちゃうタイプ」(「日経エンタテインメント!」2016年8月号)だと語る吉岡は、日清「どん兵衛」やワイモバイルなどのCMでは飛び抜けて明るいキャラクターを見せている。
しかし、素顔の彼女は思慮深く、明るいだけでなく気配りができる人で、仕事に対してはストイック。ドラマに出演すると台本片手にオンエアで自分の演技を見直して、句読点の使い方まで細かくチェックしているとか。
多彩な特技や趣味を持っている女優でもある。もともとは書道家を目指して大学に入学。講義のひとつで落語と出合って、講師をつとめた落語家にお願いして古典落語を習ったこともある。
また、これはインタビューしたときに彼女から聞いた話で、ウィキペディアにも載っていないレアな情報だが、電子音楽を聴くのが好きで、取材した当時はザ・シネマティック・オーケストラ(ジャズとエレクトロニカの要素を持つ英国のグループ)などのCDを聴いていると言っていた。
芸術肌の一面を秘める彼女だけに、作品性の高い映画では、CMや雑誌で見せる姿とは違う、ソリッドな魅力を見せる。
今回の「泣く子はいねぇが」も、スペインなどの海外の映画祭に出品された。古都に生まれ、和の美しさの魅力も持つ吉岡里帆の演技を、海外の人たちがどのように評価するか、注目したい。 =つづく