チャンバラトリオ山根伸介 巨人負けならラジオをゴミ箱に
テレビのロケでお邪魔しましたが、最初は滑稽な姿に笑ってしまいましたが、最後まで真剣に続けられる姿はもはや崇高な「儀式」。これほどのファンに応援されていれば選手冥利に尽きるなと思ったものです。
85年にお近づきになってからは、巨人が日本シリーズに優勝するとご自宅へ祝電を送らせていただきました。後日、劇場でお会いすると満面の笑みで頭を深々と下げて「本多さん、ありがとうございました!」と心の底からうれしさが伝わってくるお礼を言ってくださる。山根師匠のうれしそうな顔が見たくて、(阪神ファンでありながら)巨人の優勝を願っていたものです。現在も天国から原巨人日本一に向けて声をからして応援されていることでしょう。
チャンバラトリオさんといえば「ハリセン」の元祖。ボケた時にツッコミが頭を叩く「ハリセン」を「頭(かしら)」と言われた南方英二師匠が考案したそうです。特注の厚紙を折りたたんで、大きな音はするけれど実際にはそれほど痛くないという優れもので、私も作り方を教えていただき、舞台で使わせていただきました。
ある時、山根師匠の弟子が段ボール紙で本物そっくりに作ったヤリをむき出しのままタクシーから劇場へ走り込んだために通報され、警察隊が駆けつけて大騒ぎになったこともありました。これも昭和の良き時代の一コマです。