長瀬智也「俺の家の話」クドカンが描く介護問題に賛否両論
その一方で、認知症や介護といった部分に関しては、要介護者を持つ家族や介護職の人から〈介護に関する設定が現実と乖離している〉〈在宅介護に誤解を与える〉などの厳しい意見や、〈介護関連の監修をつけるべき〉〈せめてテロップなどであくまでもドラマ上の設定ですと入れるべき〉という声も。
テレビコラムニストの亀井徳明氏は「宮藤さんらしくポップに描いているので、確かに現実で厳しい思いをされている方には〈そんなもんじゃない〉と思うところも多々あるかもしれませんが」と前置きしつつ、こう続ける。
「あまりにも細かく描くと持ち味のポップさが損なわれてしまうので、フィクションとしての許容範囲内で描いたと思います。IWGPから“クドカン×長瀬”のファンというコアな層も、そろそろ親の介護や遺産相続について他人事ではなくなってきているはず。これまであまり意識していなかったり、あえて考えるのを避けてきた人たちにとっては、考えるきっかけづくりにもなるのでは。実際、ネット上では〈放送後、親と今後について話してみました〉なんて書き込みも見かけました」
厚労省のHPによれば、現在65歳以上の4人に1人が認知症もしくはその予備軍であるという。コロナ禍でヘトヘトになっていようが、介護問題は避けて通れない。「俺の家の話」は、そういう現実から目を背けてはダメ、というメッセージも込められているのかもしれない。