リスナーとの絶妙な関係を続ける三四郎・小宮の壮大な実験
このファンクラブを発案したのは、かつて番組のディレクターだった石井玄。彼は「アルコ&ピースのANN」が番組に多くの熱狂的ファンがついていたにもかかわらず終了してしまった苦い経験を経て、番組が終わらないためにはどうしたらいいか考えるようになったという。
番組が面白く、リスナーの熱量が高いだけではダメ。それを可視化できなければならない。そこでイベントなどを積極的に打つようになった。さらに「絶対終わらせないって気持ちの表れ」(とうこう・あい「QJWeb」21年7月28日)としてファンクラブを立ち上げたのだ。
「こういうものがあれば、安易に『番組を終了する』とはならないだろうし、なったとしても『この抱えた会員たちをどうするんですか?』って話になるはずだから」(同前)と。
冒頭の番組では、仕事の優先順位は「テレビ、CM、Web、ライブ、雑誌などの紙媒体、ラジオ」の順だとうそぶいていた小宮だが、ニッポン放送のイベントには積極的に参加。ファンクラブのブログを精力的に執筆するなど、ラジオを続けるための努力は怠らない。また、1部昇格前の頃から「1部に昇格してすぐ終わるくらいだったら、ここで長く続けたい」(太田出版「ケトル」vol.45=18年10月12日発売)とも語っていた。