人生丸ごとさらけ出す「全身女優」安達祐実が放つ狂気の魅力
2歳でモデルデビューを果たした安達は「天才子役」と評され、1994年からのドラマ「家なき子」(日本テレビ)で絶大な人気と知名度を得た。だが、彼女にとって大きな足かせにもなった。
どの現場に行っても「お前は何やっても『家なき子』に見えるな」と言われてしまう。「自分は成長していっているけれど、でも大人にはなりきれていないし、思春期の中途半端なところをそのまま何の策略もなく露呈」(blueprint「リアルサウンド映画部」20年4月24日)して、苦しんだ。
それでも「女優を辞める」という選択肢はなかった。「仕事がなくなったら、死んだも同然」(フジテレビ「さんまのまんま」15年3月7日)だと考え、10代の前半ごろまでは「一生仕事さえあれば生きていけると思ってました。愛なんていらないと」(日本テレビ「今夜くらべてみました」13年5月8日)と思っていた。
20代になり、結婚、出産、離婚と経験していく中で、それまでの「人の顔色を伺ったり、人が欲しい答えを言うことが癖になっていて、ずっとそれが正解」(ネットネイティブ「モデルプレス」19年4月22日)という考えが間違いだと気づいた。そう気づいてからも、しばらくは「癖」が抜けきらず勇気も出なかったが、30歳を過ぎ「まぁもういっか!」と吹っ切れた(同前)。