衝撃の児童殺害事件から1年 追悼キャンペーンに“ジョンイン法”も成立したが…
日本も韓国も残酷な児童虐待事件が後を絶たない。今から1年前、韓国で小さな命が失われた。韓国人なら誰もが知る“ジョンインちゃん事件”だ。
生後7カ月で養子縁組したジョンインちゃんは養父母から激しい暴力を受け、わずか16カ月で尊い命を落とした。病院に運ばれたジョンインちゃんの小さな体は何カ所か骨折し、すい臓も破裂して内臓には血がたまっていたという。事件は年が明けてから報道番組で特集され、多くの韓国人の知るところとなった。
幼い命を救える局面は何度かあった。保育園の職員や医師が児童虐待の疑いで警察に通報していたのだ。ところが警察は「証拠不十分」として放置。救えたはずの命なのに、ジョンインちゃんは短い一生を終えた。
日本でも8月に大阪府摂津市で3歳の男児が母親の交際相手に熱湯をかけられ、殺害される事件が起きた。市は「適切に対応してきた」というが、「これが韓国だったら」とジョンインちゃん事件を思い出さずにはいられなかった。
韓国でのジョンインちゃん事件は国民の怒りがすさまじかった。大統領府のホームページでは「養父母を厳罰にしてほしい」と70万人の国民が訴え、世論を受けて警察庁長官は謝罪。「児童虐待致死容疑」だった罪状も公判では「殺人罪」になっている。初公判では裁判所前に市民が集まり、物々しい雰囲気となった。