著者のコラム一覧
桧山珠美コラムニスト

大阪府大阪市生まれ。出版社、編集プロダクションを経て、フリーライターに。現在はTVコラムニストとして、ラジオ・テレビを中心としたコラムを執筆。放送批評誌「GALAC」に「今月のダラクシー賞」を長期連載中。

「徹子の部屋」祝47周年で豪華ゲスト続々 感慨深い高齢芸能人の言葉

公開日: 更新日:

「徹子の部屋」(テレビ朝日系)の今週は「祝47年!突入記念ウィーク」と題し、1月31日月曜の奈良岡朋子(92)&EXILE AKIRA(40)に始まり火曜・上沼恵美子(66)、水曜・高橋英樹(77)&近藤正臣(79)、木曜・関根勤(68)&小堺一機(66)、金曜が岸恵子(89)&草笛光子(88)といつにも増して豪華なラインアップだった。

 意外なのが奈良岡朋子とAKIRA。52歳差、劇団民芸の重鎮とEXILEのどこに接点が? と思ったら大河ドラマ「江~姫たちの戦国~」で共演した際、AKIRAが奈良岡に演技指導してもらったのがきっかけだという。

92歳・奈良岡朋子「イケメンが寄ってくる」

 当時AKIRAは主演舞台が控えており、奈良岡に舞台のことをあれこれ聞いてきたとか。92歳の奈良岡は変わらずお元気そうで88歳の徹子にも負けず劣らず。現役で舞台に立ち続けているだけのことはある。徹子に「イケメンがお好き?」と言われ、「向こうが寄ってくるのよ」。

■初登場の上沼恵美子はやる気満々?

 上沼は初登場。後の番組「おしゃべりクッキング」のMCを長年務めており、何度も出演しているかと思っていたので意外。関西の女帝も徹子の前ではただの人。「お会いできて光栄」と妙にへりくだる姿は貴重だ。

 コロナ禍で「おしゃべり」も終わる、コンサートもできない、そろそろ潮時かと心情を吐露していたが、言葉とは裏腹にまだやる気満々の感じが……。

近藤正臣の「身長が3センチ縮んだ」にショック!

 元気な女性陣に比べてすっかり好々爺になっていたのが高橋&近藤。大河「国盗り物語」で信長と光秀を演じた間柄でその後仕事をすることはなく、半世紀ぶりの再会とか。5年前に郡上八幡に移住した近藤に、1歳9カ月になる孫が20歳になったら新車を買ってあげたいからそれまでは生きていたいと高橋。田村正和と並ぶ私の中の元祖イケメン近藤正臣の「身長が3センチ縮んだ」という話はショック! 時の流れをしみじみ感じた。

 多様性の時代と言いながら、ジェンダーやLGBTには目配りするくせに、老人はひとくくりにしがちなテレビ。最大のお客さまである中高年をないがしろにし、若者にこびたところで何一ついいことなどないのに……。先輩の声に耳を傾け、その功績を伝え、文化をつなぐのも重要なはずだ。

 くしくも元都知事で作家の石原慎太郎が死去した。翌日、「モーニングショー」コメンテーターの鈴木福似、安部俊樹は「改めてみるとカッコいい人だった」。34歳の安部が「太陽の季節」で芥川賞をとり、颯爽と政界に進出したことなど知らなくて当たり前、弟の裕次郎が亡くなった1987年生まれなのだから。

 核家族でお茶の間もとうになくなった今、風俗や文化や歴史を伝えるにはテレビしかない。改めてそんなことを考えさせられた一週間だった。

■関連キーワード

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 芸能のアクセスランキング

  1. 1

    【独自】フジテレビ“セクハラ横行”のヤバイ実態が社内調査で判明…「性的関係迫る」16%

  2. 2

    人事局付に異動して2週間…中居正広問題の“キーマン”フジテレビ元編成幹部A氏は今どこで何を?

  3. 3

    “氷河期世代”安住紳一郎アナはなぜ炎上を阻止できず? Nキャス「氷河期特集」識者の笑顔に非難の声も

  4. 4

    中居正広氏&フジテレビ問題で残された疑問…文春記事に登場する「別の男性タレント」は誰なのか?

  5. 5

    TV復帰がなくなった松本人志 “出演休止中”番組の運命は…終了しそうなのは3つか?

  1. 6

    "日枝案件"木村拓哉主演「教場 劇場版」どうなる? 演者もロケ地も難航中でも"鶴の一声"でGo!

  2. 7

    フジテレビに「女優を預けられない」大手プロが出演拒否…中居正広の女性トラブルで“蜜月関係”終わりの動き

  3. 8

    別居から4年…宮沢りえが離婚発表「新たな気持ちで前進」

  4. 9

    ビートたけし「俺なんか悪いことばっかりしたけど…」 松本人志&中居正広に語っていた自身の“引き際”

  5. 10

    フジテレビを襲う「女子アナ大流出」の危機…年収減やイメージ悪化でせっせとフリー転身画策

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  2. 2

    “氷河期世代”安住紳一郎アナはなぜ炎上を阻止できず? Nキャス「氷河期特集」識者の笑顔に非難の声も

  3. 3

    不謹慎だが…4番の金本知憲さんの本塁打を素直に喜べなかった。気持ちが切れてしまうのだ

  4. 4

    バント失敗で即二軍落ちしたとき岡田二軍監督に救われた。全て「本音」なところが尊敬できた

  5. 5

    大阪万博の「跡地利用」基本計画は“横文字てんこ盛り”で意味不明…それより赤字対策が先ちゃうか?

  1. 6

    大谷翔平が看破した佐々木朗希の課題…「思うように投げられないかもしれない」

  2. 7

    大谷「二刀流」あと1年での“強制終了”に現実味…圧巻パフォーマンスの代償、2年連続5度目の手術

  3. 8

    国民民主党は“用済み”寸前…石破首相が高校授業料無償化めぐる維新の要求に「満額回答」で大ピンチ

  4. 9

    野村監督に「不平不満を持っているようにしか見えない」と問い詰められて…

  5. 10

    「今岡、お前か?」 マル秘の “ノムラの考え” が流出すると犯人だと疑われたが…