<158>野崎幸助さんが残した「遺産リスト」は突っ込みどころ満載
「私にはこれ以上調べる術がありません」
相続財産管理人が提出したリストの最後には、このように書かれていた。調べるのが仕事であるはずの管理人がこのような文言を付けて家裁に提出しているのだから呆れてしまうというか、これでは会計士の意のままではないか。
私はドン・ファンの死後すぐに遺産総額は約30億円であろうと試算をしていたが、会計士が出してきた総額は約26億円だった。ところが田辺市は、遺産額を約13億円とした。ドン・ファンがアプリコに貸し付けたとしてリストに記載されている8億円を回収困難として評価せず、不動産の算定額をリストより10億円近くも低く抑えたためだ。なぜそうしたのか、そこに何か秘密があるような気がした。
ドン・ファンがアプリコに貸し付けた証拠となる書類はリストに添付されていないのだから信じることはできないと思うが、それを精査することなく受け取った相続財産管理人の無責任さにも信じられない思いがした。
現在はこの金額が独り歩きしている状態だが、遺産額不服請求の裁判は必ず起こされるだろうと思うぐらいずさんなリストである。