宮脇咲良の移籍で浮き彫りになった「世界を目指すなら日本より韓国」の新常識
元IZ*ONE(アイズワン)の宮脇咲良(23)が14日、BTSが所属するHYBE傘下のソース・ミュージックに所属することが明らかになった。同じくIZ*ONEのメンバーだったキム・チェウォン(21)や他の新人とともに、5月に再デビューする見込みと報じられている。
宮脇といえばもともとはHKT48メンバーで、2018年に日韓合同アイドルグループオーディション「PRODUCE48」でIZ*ONEとしてデビュー。IZ*ONEは昨年4月に活動終了し、翌月には、矢吹奈子とともにHKT48に復帰、6月にグループを卒業。注目は移籍先で、K-POP界で今一番の有名どころで“BTSの妹分”という位置づけに日本の芸能界のみならずネットもザワついたのである。
K-POPアイドルへの評価と関心の高さが分かるが、同志社女子大学教授(メディア論)の影山貴彦氏はこう言う。
「宮脇さんが世界基準のアイドルへの道を歩んでいると認知された結果でしょう。裏を返せば、日本のエンタメ界の価値が落ちてきた表れとも言えます。メディア論の授業で『韓国エンタメ実習』という韓国での実習プログラムがあるのですが、コロナ以前、倍率は3倍で非常に人気でした。その実習で現地に行った際、日本からK-POPアイドルを目指して留学しているアイドル研究生がたくさんいて、彼らは『世界を目指すには日本じゃ無理だから』と言っていました。彼らにとって、韓国のほうが道のりがクリアで、目標値が見えやすい。しかも若者はSNSで世界を知り、情報収集しているので“日本限定”という枠がない。そういう中で、日本市場だけに目を向け、やみくもに走ったら何か生まれるかも、という旧態依然としたやり方では韓国のロジカルでグローバルなビジネスモデルに歯が立たない。これはエンタメだけでなく日本経済全体が抱える問題かもしれません」
変わらないし変われない、ガラパゴス化した日本に見切りをつけた若者はすでに大勢いるようだ。