(7)年齢をサバ読みしてAKBオーディションに応募「秋元康さんに見抜かれて不合格に」
確かに、以前桃花が「お見立て」という噺をやるのを聴いた際、花魁と廓の若い衆はいいのだが、なまりのある田舎者のお大尽(金持ち)に違和感を覚えたことがある。どんな女流にもあるネック、壁なのかもしれない。
小朝は彼女にどんな道筋を示したのだろうか。
「たとえば、師匠に、『こういう企画があるんですが』と相談すると、『それなら、こういうふうにしたらどうかな』とアドバイスしていただいてます。新しい噺を覚える時も、前座時代と同様に、『その噺はあの師匠のとこへ稽古に行きなさい』と頼んでくれます。落語協会の師匠だけでなく、落語芸術協会、立川流、円楽一門会と全流派の師匠連で、上方では鶴瓶師匠にもお稽古していただきました」
アイドルの女流にもそういう地道な努力があったのだ。(つづく)
(聞き手・吉川潮)