秋篠宮さまが2021年誕生日会見で指摘した皇族の「公」と「私」の曖昧さ
今の陛下は自然体に任せようとしているのだろう。上皇さまのお言葉と同じ時期に「私は家族を思うことと、それから国や社会に尽くすということ、これは両立することだと思います」(2002年)と述べられたのは、家族(「私」)と「国や社会に尽くす」(「公」)は並立するものだとの思いだろう。
時代を経るごとに、「公」の中に「私」が広がっていく印象を受けるのは、個を大切にする社会に向かっているからだ。秋篠宮さまが自主性を重んじるのも、こうした流れと無縁ではない。それでも眞子さんと秋篠宮さまに違いがあったことは会見でも明らかだが、それは、この「公」と「私」のどちらに重きを置いたかである。このズレは、眞子さんと世間の間でもあったから、小室さんとの結婚が批判につながったといえる。
皇室における「公」と「私」の領域は、今もその境界は曖昧だ。それなのに、皇族は「公」が大事で「私」は我慢すべきだというのは、ただ皇族を不幸にするだけである。私たちは皇族に何を求めるのか、一人一人が冷静に考えてみるべきかもしれない。(つづく)