在日3世を公言する上方落語家・笑福亭銀瓶さんが明かす「芸の磨き方」
■ライブでアップデートを繰り返す
噺に登場する人物たちがどう生き生きと輝き、共感され、説得力が生まれるのか?
「落語はライブ」という言葉の通り、常に高座からお客さんとの生のやりとりを通して、分析し、軌道修正とアップデートを重ねているのだという。
「お客さんは笑ってるけど、今回はたまたま空気に引っ張られて笑ってるなとか、本来受けるべきところで受けていないからその前に言った一言が余計だったかなとか、口調の緩急など計算しているところもありますが、やはり落語は躍動感が必要。計算だけでなく、ライブ感を大切にする併立した感覚も必要になってきます。コロナ禍で最初はオンラインの寄席も増え、どこにいても落語に触れられる機会としては素晴らしいですが目の前のお客さんと生のやりとりができない落語はやっていてやはりつらい。ですので今は、無観客の寄席はお断りしています」
発声のためにスポーツジムで体幹を鍛え、歩きながら落語の稽古もするというストイックさだが、もともとは落語家になりたかったわけではないらしい。