神宮外苑の再開発問題 自然にも文化にもスポーツにも愛がない人たちが都民のオアシスを破壊する
神宮外苑の再開発に住民が反対しているのはご存じだろう。樹齢100年もの巨木が1000本近く伐採されるという。しかしよく調べてみると、開発はそれだけの問題ではなかった。
反対運動の中心はアメリカ人のロッシェル・カップさん。日本在住の経営コンサルタントだ。東京オリンピックの時に樹木の枝を切ってパブリックビューイング場を造る計画が反対にあって中止になった。あれを勝ち得たのが彼女だ。彼女は、ただ木が可哀想と言っているのではない。
もともとこの計画は2013年から始まった。当時の都知事・石原慎太郎氏と森喜朗氏の間で。出ました森喜朗。それ以前の2011年には東京オリンピック招致が決定している。この開発が周到に用意されたものであることがわかる。オリンピックは到達点ではなかったのだ。なぜ反対の声が多くても押し切って開催されたのか。最終的な開発までどうしてもオリンピックが必要だったからだ。その証拠に、それまで高いビルは建築できなかったのに、新国立競技場の建設の際、その制限が緩和されている。そして今回の計画に高層ビルの商業施設が含まれている。