神宮外苑の再開発問題 自然にも文化にもスポーツにも愛がない人たちが都民のオアシスを破壊する
とにかく再開発したい人たちが、利用できる地面をあちこち探して、ついに聖域である都民のオアシス神宮外苑に目をつけた。というのが正しいのではないか。
開発は商業施設と箱モノが乱立し、市民が使える軟式野球場もテニスコートもイチョウ並木のカフェもなくなる。しかもあろうことか歴史ある神宮球場と秩父宮ラグビー場の位置を入れ替え、どちらも取り壊して一から建て直すというのだ。老朽化は修復すればいい。100年も経つ歴史的施設をなぜ残さないのか。森喜朗氏はラグビー場に思い入れはないのか。むしろ歴史的建造物として残す方に動くべきではないのか。他の欲望がラグビー愛に勝るのか。
小池都知事は「SDGsの考え方にも沿ったまちづくり」と言うが、全く真逆ではないか。樹木は移植するとも言うが、新国立競技場の建て替えで移植した木の7割が病気になっている。新しい木を植えても木陰はすぐに戻ってこない。大木の木陰で涼むのは節電にも理にかなっている。
開発に血道を上げる人たちは全く市民のことなど考えていない。そして自然も文化もスポーツも愛してはいない。愛しているのは金だけだ。
ロッシェルさんは「外国人はカラオケ映像でよく見たイチョウ並木を実際見たら感動する」「商業施設の予想図を見たら、これ、ららぽーと?(笑)これ神宮外苑にいりますか」と笑わせたあと、「まちづくりと言って、なぜ一度街を壊すのか。できるだけ温存して共に暮らせばいいではないか」と言う。