「京都人MCが全国を制覇する説」 宇治出身の麒麟・川島は人気爆上がり中
麒麟・川島明の株が爆上がりしている。TBS系「ラヴィット!」で朝の顔になって1年3カ月。すっかり大喜利番組として定着、自由にボケ倒す芸人たちに的確なツッコミを入れ、彼らを面白く料理する川島のMC力が称賛されているもよう。
麒麟の名が全国的に知られるようになったのは相方・田村裕が自身の貧乏経験を書いた「ホームレス中学生」以降。あの頃の川島は麒麟の“じゃない方”扱いで「麒麟です」と低音ボイスでコンビ名を言うくらいしか印象がない。それが今では芸人界最強のMCと呼ばれる存在に……。本人の努力もさることながら川島の出身地にも起因しているのではないかと思う。
実は私が長年温めてきた「京都人MCは全国を制覇する」説があり、宇治市出身の川島はそれに当てはまる。上岡龍太郎に島田紳助、やしきたかじん(京都生まれ大阪育ち)、浜村淳、山城新伍、岸部四郎も一時期、朝の顔だった。
上岡龍太郎に島田紳助…
なぜ京都人MCは成功するのか。
京都人は「京都のぶぶ漬け」に代表されるように本音と建前を使い分ける。東京に対しても敬意を表しつつ本音は「日本の都は京都」と思っているフシがある。そのプライドの高さゆえ勉強熱心なところもあり、それが知的なイメージにもつながり、MCとして重宝されるのではないか。
昔から「関西芸人は二度売れなければならない」といわれてきた。関西で売れても、あくまでもローカルタレントに過ぎない。全国区になるためには東京に進出し成功しなければならない。それを踏まえて大阪芸人はというと、東京vs大阪という構図をつくり、東京に「負けへんで!」という強い気持ちが空回りしがち。ゴリゴリの大阪弁で押してくるから全国の視聴者は辟易するとか、感じがどうも苦手という話もよく聞く。
極道に例えればインテリやくざ
ところが、京都人芸人は持って生まれた京都人的な品のよさに大阪人的な庶民感覚、両方のいいとこをうまくとって全国の視聴者のお口に合うように提供しているフシがある。極道に例えれば大阪芸人は鉄砲玉で京都芸人はインテリやくざといったところ。思えば上岡も紳助もたかじんも、みんな「モノ申す」MCだった。川島に足りないのはそのあたりか……。
川島に続くいいMCになりそうな京都人芸人はまだまだいる。筆頭株はサバンナ・高橋茂雄。川島よりも先輩でも、根っからの子分肌が災いし、いつまでも若手イメージの高橋だが、趣味のサウナの番組などのMCも務め本気を出してきた。
千原ジュニアやミキもいる。ミキは上岡龍太郎の甥っ子だし。最近頭角を現している相席スタートの山添寛もポテンシャルは高そうだ。意外なダークホースが俳優の佐々木蔵之介。山城の継承者は彼かと睨んでいる。