三遊亭円楽はやはり腹黒だった! 楽太郎時代に師匠の仕事を横取り
「はい、星企画です。えっ、円楽の営業ですね。ちょいとスケジュールを確認しますが、え~と、その日は地方の仕事で無理ですね。それより、今テレビなんかで売り出し中の楽太郎はいかがですか? もちろん、円楽よりお安いですよ」
円楽のスケジュールが空いていてもお構いなし。その上、自宅の連絡先を教えて、事務所を通さない仕事にしていたそうだ。まぁ、円楽が超人気で忙しかったので、事務所も笑って見て見ぬふりをしていたらしい。
一方、僕に「オレは脱税しても、今は捕まらない」と豪語したこともあった。当時、国税庁がスポンサーの税金番組に出ていたので、「出演者なら摘発できないだろ。今がチャンス。領収書のいらない、裏の仕事ねえかなあ。なかなか見つからないなあ」と言って笑わせてくれた。
正月のハワイ取材の時に当時の楽太郎が到着ロビーに顔を見せた。噺家は正月が稼ぎ時なので「カメラに写るのはマズイ」と渋るのを、僕が食い下がって取材にこぎつけたのだが、業界人しかわからない笑い話を続け、「使えねぇだろ」とけむに巻かれたこともある。
“腹黒キャラ”は若いころから身についていたわけだ。