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児玉愛子韓国コラムニスト

韓流エンタメ誌、ガイドブックなどの企画、取材、執筆を行う韓国ウオッチャー。新聞や雑誌、Webサイトで韓国映画を紹介するほか、日韓関係についてのコラムを寄稿。Webマガジン「オトナの毎日」でイラストエッセー【毎日がエンタメ】を連載中。

是枝監督もハマったドラマ「私のおじさん」放送後に評価が一変したワケ

公開日: 更新日:

 ドラマが韓国で放送されたのは2018年3月で、折しもMeToo運動が吹き荒れていた頃。政治家や映画監督、有名俳優らのセクハラが次々と明らかになっていた。それだけに「なぜ若い女性がわざわざ24歳も年上の既婚の“おじさん”に共感しないといけないのか」と批判されたのだ。

 しかも追い打ちをかけるように、物語の中心となる3兄弟の長男役オ・ダルスに過去のセクハラ疑惑が浮上。放送開始まで1カ月を切っている段階で降板となり、急きょ、代役が立てられた。

■ヒロイン役の女優が自ら降板を申し出る事態に

 すでに撮影したシーンを撮り直したが、夜のシーンが多いため撮影スケジュールは逼迫(ひっぱく)。それだけでなく、ヒロインのイ・ジウン(IU)もまた体調不良で自ら降板を申し出て、監督に説得されたと報じられた。放送スタート後は、闇金業者の男がヒロインに暴力をふるうシーンが批判されるなど、ドラマのイメージは最悪だったのである。

 ところが、放送終了後は評価が一変。人間ドラマとしての作品性が認められ、驚くほど支持された。データ分析会社の調査でも「コンテンツ影響力1位」を記録し、芸術大賞などで作品賞や脚本賞をはじめ幾つもの賞を受賞。イ・ジウン(IU)が映画「ベイビー・ブローカー」に出演するきっかけにもなった。

「私のおじさん」が火だるまになりながらも途中で打ち切りにならなかったのは幸いだ。それと比べたら「アトムの童」はまだ傷口が小さいほうではないか。

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