杏子がソロデビュー30周年を語る「BARBEE BOYS解散後はOLに戻るつもりでした…」
杏子は8月、東京・渋谷のduo MUSIC EXCHANGEでのソロ30周年記念ライブで、新曲「30minutes」を歌った。ギターがゴリゴリ鳴るロック。杏子はハスキーなボイスでシャウトする。
「作詞のAKIRAさんには、30年前にBARBEE BOYSを解散して私がソロになったときの気持ちを込めてほしい、とリクエストしました」
同じじゃいられないこと、待ちわびた瞬間であること、空を飛べるほどの爽快感であること……などが歌われる。
「デビュー前は商社の総務部で働いていたんです。定時で上がってライブハウスで歌っていました。バンドを解散したときは、OLに戻るつもりでした。バービーという母体を失い、不安だったんだと思います。それに会社員時代、尊敬できる先輩や同僚に囲まれて充実していました。両親は実家に戻ると思っていたはずです。お見合いを勧められていました」
しかし、ソロで音楽を続ける決意をする。
「新しい事務所をつくって、ライブをやろうぜ!」
バービーの元ディレクターに誘われて「はい!」と答えてしまった。
「私がたまらなくライブが好きなことを見透かされていたと思います」
それが今も所属する事務所、オフィスオーガスタのスタートになった。杏子のソロの30年は、そのままオーガスタの30年でもある。
「最初のシングルはCMソングの『DISTANCIA~この胸の約束~』。ヒットしたこともあり、当時はロックシンガーとしての魂を売ったようなとらえ方もされました」