安倍氏国葬をどう放送するのか、CMは? 世論の反対強くテレビ各局が苦悩
「中継放送の画的には青山通りの沿道の人々、弔砲、総理の弔辞、アメリカのハリス副大統領の献花がポイントになりますが、青山通りにどのくらい人がいるでしょうか。55年前の吉田さんのときは17万人が沿道から見送ったそうですが、今回はたまたま通りがかった人が足を止める程度かもしれない。国葬反対の横断幕が掲げられたりもするでしょうが、映像を切り替えることなくそのまま流します。それも9.27の風景ですからね」(中継担当プロデューサー)
吉田国葬のときは、政府の要望を受けてテレビ各局は夜まで追悼特番を組んだが、今回はNHKも「事実を正しく放送することに尽きる」(前田晃伸会長)と冷めていて、特番は2時間弱だ。
厄介なのはCMの扱いである。フジテレビは55年前、数千万円の赤字覚悟でコマーシャルを終日取りやめた。さすがにもうそんな放送局はないものの、スポンサーからは国葬関連の番組でCMは流さないでほしいと言われているという。
「『国葬の最中に賑やかなCMとは不謹慎だ』とクレームがついたり、逆に『国葬を応援しているのか』という抗議が来るかもしれない。いずれにしても、企業としては面倒というわけです。ACジャパンの公共広告で埋めます」(民放の編成担当役員)
力を入れているのはやはりフジ系で、「憲政史上最長8年8カ月もの間、国政を牽引した安倍元首相。その死を悼む」として、アメリカ・ワシントンからもリポートするという。何があっても通常通りのテレビ東京も、珍しく緊急特番を組む。
(コラムニスト・海原かみな)