著者のコラム一覧
碓井広義メディア文化評論家

1955年長野県生まれ。慶應義塾大学法学部政治学科卒業。千葉商科大学大学院政策研究科博士課程修了。博士(政策研究)。81年テレビマンユニオンに参加。以後20年、ドキュメンタリーやドラマの制作を行う。代表作に「人間ドキュメント 夏目雅子物語」など。慶應義塾大学助教授などを経て2020年3月まで上智大学文学部新聞学科教授。専門はメディア文化論。著書に「倉本聰の言葉―ドラマの中の名言」、倉本聰との共著「脚本力」ほか。

仕事は「作る」から「創る」へ 前例にないものを知恵によって生み出す

公開日: 更新日:

 倉本聰の主戦場はテレビドラマであり、書く仕事の中心はシナリオだ。しかし、他に何本もの戯曲があり、膨大な量のエッセーも書いてきた。このエネルギーは、一体どこから来ているのか。

「書くというより、創るということをしてるんだろうね。『創作』という言葉があるじゃないですか。創と作、どちらも〈つくる〉でしょ? でも、意味が違うんですよ。〈作〉の〈つくる〉ってのは、知識と金を使って、前例にならって行うことです。

 それに対して、〈創〉のほうの〈つくる〉は、前例にないものを、知識じゃなくて知恵によって生み出すことを指す。この〈創〉の仕事をしてると楽しいわけですよ。

 でもビジネスマンは、どうしても〈作〉の仕事が多くなりがちですよね。だから、ストレスが溜まるんだと思う。

〈創〉の仕事というのはね、肉体的にはハードだけど、寝て起きりゃ直る。それに比べて〈作〉ばっかりだと精神的によくありません。仕事は、意識して〈創〉のほうに寄せていくといいんです」(「脚本力」から)

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