故・前田忠明さんが駆け抜けたワイドショー全盛の時代 芸能取材の“1つのスタイル”を構築
故・梨元勝氏のテレビ朝日に、フジテレビの前田さんと、民放にはどこも名物リポーターがいて、日夜の直撃、張り込みで抜きつ抜かれつの取材を敢行。前田さんは大手芸能プロと太いパイプをつくり数々のスクープを飛ばした。大女優のベールに包まれた素顔に迫った著書「大原麗子 炎のように」もある。
■「女性自身」のエース記者から転身
「芸能マスコミでは、とても凄い人でした」と、芸能リポーターの後輩でもある城下尊之氏はこう言う。
「前田さんは『女性自身』のエース記者としてテレビ業界に入り、フジテレビと年俸で専属契約を結ばれた。大手芸能プロとの橋渡しができるといったアドバンテージからですが、何かあっても逃げない姿勢を貫かれ、同じ局であれば、ご自分のクルー(取材チーム)でもないところまで、責任を取っていたのを覚えています」
ある男性歌手が愛人殺害で逮捕、服役を終えて出所した際は、くだんの女性の実家へ謝罪に行くところを全ワイドショーは密着。その代表として、男性歌手のみならず、被害者の父親と交渉し、2人並んでカメラの前に出てきてもらった。