故・前田忠明さんが駆け抜けたワイドショー全盛の時代 芸能取材の“1つのスタイル”を構築
そして、ずばり核心を質問し、涙を誘ったのも前田さんである。このときも賛否両論あったが、「梨元さんの直撃スタイルといい、芸能取材のひとつのやり方を構築されたと思います」と城下氏は続けた。
「女性自身」の後輩でもあったベテラン芸能記者、青山佳裕氏は晩年の前田さんと酒を酌み交わした。
「たまたまご近所ということもありますが、定食屋さんなんかの暖簾をくぐると、昼間っからイッパイやってらっしゃって。現役時代は飲んだことはなかったのですが、あれやこれやと、いろんなお話を気さくにしてくださりました。ただ、手酌で飲む横顔はとても寂しげで。若い人たちの顔と名前が一致しなかったりして、『だからワイドショーからも見切られて引退』とほほ笑んでました。『これからもまた一緒に飲もうや。俺もう毎日が暇だからさ』とおっしゃった声が今も聞こえてきます」
在りし日に、献杯。