漫画家・東海林さだおさん 85歳でも情熱失わず「“老い”は許さん!(笑) 認めたら終わり」
東海林さだおさん(85歳/漫画家、エッセイスト)
2022年10月に85歳を迎えた東海林さだおさん。週刊誌3本、月刊誌1本の連載を抱え、文壇の最前線に立ち続けている。週刊文春の「タンマ君」、週刊現代の「サラリーマン専科」はいずれも50年超の歴史を持つ。どこから情熱が湧いてくるのか、話を聞いた。
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■「ここが自分の人生の本拠地だ」
──仕事が嫌になることは。
ないですね。ず~っと楽しい。だって、好きで始めた商売ですから。疲れるとか、飽きたとかってことはまずない。仕事しているときが落ち着くんですよ。旅行とかして、幾日か空くでしょ。帰ってきてこの椅子に座ると、「一番、あっ、ここが自分の人生の本拠地だ」なんて思います。他の場所にいると、なんかこうしちゃいられないな、なんて思っちゃいます。要するに、仕事に携わってる時が安心するし、楽しいんですよ。
──度々、仕事は「90歳まで」とおっしゃっていますね。
連載って、雑誌の方が「もういいですよ」って言って終わるのが普通ですよね。まだ言われないので、続けています。でも、90歳になる頃にはたぶん頭はボケているだろうし、感性とかダメになっていると思う。90歳が限界なんじゃないかなぁ。みんな加齢とともに仕事ができなくなって、注文が来なくなって、消えていく。僕もそれは避けられないでしょう。90歳になった時、世間や作品の反応とかを見て、みんなが「大丈夫ですよ」って言うなら、もう2、3年とやれたらいいですね。
──今でも読者の反応などを分析していると。
それだけじゃなく、僕の作品が掲載された雑誌は必ず、全部チェックします。いろんな記事がある中で、自分のはだいたい2ページなんですけど、どういう存在、立場なのかなって。最近、週刊誌の漫画はエロが減っているでしょ。だから、僕は意識して入れています。絶対にあるべきだし、必要だとも思っていますから。