「舞いあがれ!」に軸ブレ“ちむどんどん化”不安…硬派な青春群像劇のはずが恋バナ中心に?
■誰に対しても塩対応だった柏木のキャラ急変
例えば、航空学校で吉川晃司が演じた大河内教官は、生徒たちから“鬼教官”と恐れられていたが、鬼どころか仏様に見えるくらい、厳しくも冷静で理路整然としており、信頼のおける素敵な教官。全く“鬼”に見えないのに、生徒たちがやたら『鬼』だの『理不尽』だの騒ぎ立てる。
視聴者は逆に『今時の若者にはこの程度の教官でも厳しいのか?』と感じただろう。しかし、時代設定はリーマンショック前の00年代。なんかおかしい……。そして次の異変は、同級生の中で一番性格がきつく、誰に対しても塩対応だった目黒蓮が演じる柏木弘明の突然のキャラ変だ。
「どう考えても絶対に告白のタイミングではないところでの舞への告白に、『まさかや?!』のフレーズが何度もリフレインしました。その瞬間から柏木の表情だけでなく、性格もキャラもガラッと変わってしまった。硬派な青春群像劇が、恋愛中心のドラマになってしまった印象で、脚本もそこにベクトルを合わせたため、卒業までの苦労や就職するまでのストーリーがすっ飛ばされてしまいました。そもそも朝ドラの前期放送は『ちむどんどん』みたいなドタバタ劇が多めですが、それに比べて後期放送は硬派なドラマが多かった。『舞いあがれ!』も、その路線でいくものだと思っていたのに、4日放送のエンディングに柏木が再び登場したのは不安材料です。話の軸がブレて行き『ちむどんどん化』していかないか心配です」(芸能ライター・弘世一紀氏)
4日のNHK「おはよう日本」は朝ドラ送りで、「柏木君と舞ちゃんは関係が“サイレント”な状態ですけど……」と2人の恋バナを盛り上げようとしていた。後半も視聴者をつなぎ止めておくことができるだろうか。