タモリさんが「新しい戦前」に込めた今の時代の空気感 ずっと「永遠の戦後」を続けなければ
政府は「敵基地攻撃能力」を「反撃能力」と小ざかしく言い換えてはいるが、相手が拳を振り上げたら殴っていい、あるいは拳銃で撃ってもいい、という話で、どこが反撃なのか。相手からすれば先制攻撃ではないのか。だいたいどの程度拳を振り上げたらこちらから攻撃してもいいのか、基準はあるのか。ならば防衛費を2倍に増強したら、他国から「拳を振り上げた」とは思われないのか。
各国が軍備を増強して一番得するのは誰か。武器商人である。彼らの中には「戦争が起きて武器が売れるのではない。武器を売るために戦争を起こすのだ」と言う者までいる。
抑止力としての軍事力とよく言うが、お互い軍備を増強してパワーゲームを繰り返せば、偶発の戦争の可能性も上がり、むしろ戦争に近づくと思うのは素人考えなのか。いや違うだろう。過去にたくさん実例があるのだから。
過日自民党の防衛問題に詳しい議員さんと話す機会があった。昨今自衛隊員が不足しているらしく募集に力を入れ待遇を改善しているそうだ。そのような話は他からも聞く。徴兵制へのキャンペーンが始まったような気がしてならない。
戦争を国対国や大きな数で考えてはならない。あなたの兄弟が死に、息子が人を殺すのだ。そんなのは真っ平だ。戦争なんか真っ平だ。今年や来年を「新しい戦前」にしてはならない。ずっと「永遠の戦後」を続けなければ。