著者のコラム一覧
本多正識漫才作家

1958年、大阪府生まれ。漫才作家。オール阪神・巨人の漫才台本をはじめ、テレビ、ラジオ、新喜劇などの台本を執筆。また吉本NSCの名物講師で、1万人以上の芸人志望生を指導。「素顔の岡村隆史」(ヨシモトブックス)、「笑おうね生きようね いじめられ体験乗り越えて」(小学館)などの著書がある。新著「1秒で答えをつくる力──お笑い芸人が学ぶ『切り返し』のプロになる48の技術」(ダイヤモンド社)が発売中。

中田ボタンの巻(下)新人だったキングコングに「腐った靴はいて舞台に立つような、失礼なことすな!」と一喝!

公開日: 更新日:

 2月20日に吉本興業とのマネジメント契約終了が発表された中田ボタンさん。前回お話ししたとおり、芸人・スタッフ含め長年「抱かれたい芸人ナンバーワン」に君臨した、芸人界の男伊達。身だしなみには本当に気を使われていて、いつも寸分の乱れもない衣装や髪形で舞台に立たれていました。

 そんなボタンさんが、舞台袖で激怒されているのを目の前で見たことがありました。キングコングがNSC在学中にNHKのコンテストで優勝し、異例のNGK本出番を与えられた時でした。

 私も教え子が気になって舞台袖で見ていたのですが、その日はスケジュールの関係でいつもならもっと後の出番になるカウス・ボタンさんがトップのキングコングの、次の次という早い出番でした。舞台を終えて袖に戻ってきたキングコングが「お疲れさまでした~」と挨拶をしたその瞬間、

「おまえらなんちゅう靴履いて舞台に出とんねん!」

 と鬼の形相で一喝。

 新人でお金のないキングコングが普段履きではないものの、とてもきれいとは言えない靴を履いていたことに一喝されたのです。2人はもちろん、間近で見ていた私も舞台スタッフもその迫力に縮み上がるように直立不動になっていました。続けて諭すように「ええか、足元はお客さんから一番近いとこや、そんなとこに腐った靴履いて舞台に立つような、失礼なことすな(するな)!」と言いながら、胸ポケットから財布を出し「すぐ、靴買うて来い!」と2人に1万円ずつ渡されたのです。

「ありがとうございます! 失礼します!」と、お金を受け取って走り去るキングコング。まるでドラマ映画の一場面を見るかのようなしびれるカッコ良さでした。

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