音楽は「生きる」と「夢を見る」の間にあるというのが、音楽を生業にしてきたぼくの実感
■音楽愛好家仲間の光石さん、出身校の先輩の松重さん
名バイプレイヤー光石さんのキャリアの起点は、1978年の映画『博多っ子純情』。演技経験ゼロの高校時代に受けたオーディションを勝ち抜いての主役デビューだった。ぼくとはソウルミュージック愛好家同士の関係だ。
そんな光石さんと親しい松重さんも、音楽へ寄せる愛情では負けてはいない。DJを務めるFM番組のマニアックさは音楽好きの間ではよく知られているし、若き日に下北沢の中華料理店でバイト仲間だった甲本ヒロトさん(現ザ・クロマニヨンズ。元ザ・ブルーハーツ)との長い交友も、知る人ぞ知る話。そうそう、ぼくの出身校の先輩でもあるのでした。
トークセッションは深町さんの司会でスムーズに進行した。まずは今年1月に逝去した福岡出身のギタリスト鮎川誠さんへの惜別の思いを、3人がそれぞれの立場から述べてスタート。つづいて福岡の街と音楽の記憶を語り、話は音楽と映画の理想的な関係にまでおよんだ。なかでもDeep Sea Diving Club、kiki vivi lilyといった福岡の現行音楽シーンの人気者に寄せる松重さんの熱いトークに観客は沸いた(彼らはトークセッション後にライブ演奏を披露した)。