エジプト考古学者・吉村作治さんは5年間の車椅子生活を経て…80歳の現在も情熱を失わず
テレビ出演は調査・発掘のお金のため
若い頃から100歳まで生きてエジプト考古学の発掘を続けようと思っていました。そのために一番大変なのはお金。それでお金のためには何でもやろうとテレビにもたくさん出演しました。早稲田大学で授業を8コマもちながらテレビに週8本、月40本、年間500本ほど出演した時期もありました。テレビに出れば講演のオファーもたくさん来ます。講演1本90分で一時期は100万円もいただけて、なんだかんだで数億円は稼いでいました。
でも、そのお金を私腹を肥やすことには使っていません。稼いだお金は全部エジプトの遺跡発掘・調査に使うのがポリシー。23歳の時に結婚したエジプト人の妻がいました。彼女に「私と考古学とどっちが大事なの!?」と詰め寄られ、「考古学」と答えたら見限られてしまいました。でも、2人いる子供たちは僕の研究を助けてくれています。
■子供は第2の太陽の船を修復
50代で、子供が3人いる長男は以前はテレビのCM制作会社を経営し、今はエジプトで僕のマネジメントをしてエジプト政府と交渉してくれています。48歳の娘はエジプトで女優をしていたのですが、今は「第2の太陽の船」の修復をしてくれています。修士号もとって頑張っています。
親として子供たちに伝えたいのは清く正しく生きること。他人に迷惑をかけちゃいけないよ、ということですね。