写真週刊誌が500万部も売れた時代 NHKも取り上げた“FF戦争”はどこがスゴかったのか?
それをストップさせたのが1986年に起きた「たけし事件」だった。ビートたけしと軍団がFRIDAY編集部に乱入した傷害事件である。これを機に写真誌の取材手法に批判が集中して女性読者が離れた。部数はあっという間に50万部を切るところまで落ち込んだ。
社内では、私を含めて休刊すべしという声が大勢になっていった。私が編集長になったのは事件から4年後の1990年。編集部は暗く、早く異動させてくれという部員が私の前に列をなした。私がやったことは、編集部を明るくすることと、「ニュース週刊誌宣言」。ノンフィクションライターによるルポやフォトドキュメンタリー。編集部員に取材のイロハも教えた。社初のヌード写真集も出し、部数も20万部ほど戻した。だがしょせんは後の祭り。現在、FRIDAYは約6万部。200万近くの読者が消えた。 (文中敬称略)
(元木昌彦/「週刊現代」「フライデー」元編集長)