写真週刊誌が500万部も売れた時代 NHKも取り上げた“FF戦争”はどこがスゴかったのか?
「FF戦争」という言葉を覚えているだろうか。
新潮社の“天皇”斎藤十一が「おまえら人殺しのツラが見たくないのか」をコンセプトに創刊したFOCUS(1981年)と、それから3年後に創刊された講談社のFRIDAYとの写真誌戦争のことをいう。
8月4日の夜、NHKの「アナザーストーリーズ」は「FF戦争」を取り上げていた。
それまでタブーとされていた殺人現場、520人が亡くなった日航機墜落事故で奇跡的に助かった少女と捜索隊の歓喜の瞬間、ロッキード事件で逮捕された田中角栄元総理の法廷写真など数々のスクープを報じ、2誌合わせて400万部というとてつもない部数をたたき出したのである。
番組には、FOCUSの最後の編集長と、FRIDAYの創刊編集長が出てきて、「秘話」のようなものを語っていた。FRIDAY編集長の「おごりがあった……かもしれませんね」という言葉が印象的だった。
私はFOCUSのことは知らないが、FRIDAYについてなら多少語れることがある。創刊編集長は、私が新入社員で配属された月刊現代の編集長だった。そんな縁もあり、FRIDAY創刊前に編集長に呼ばれ、どう思うかと聞かれた。