【対談】シンクロの母・井村雅代コーチ×NSC講師・本多正識氏(前編)育成のプロが語る“ツカミ”の大切さ

公開日: 更新日:

 シンクロの母・井村雅代コーチとNSC講師・本多正識。その道のトップを育成してきた2人が語るスポーツとエンタメの明るい未来!

 ◇  ◇  ◇

本多 (2023年)10月に井村先生が「関西演芸しゃべくり話芸大賞」の特別ゲスト審査員にお越しになり、驚きました。また、気になるところや審査の着眼点がまるきり同じなので。

井村 関西人やから、お笑いは当然見ます。作品作りの参考にもしますし。しゃべくり大賞では3組が最初の数分は流してましたね。

本多 私は彼らの技量を知ってるだけに「早よしぃゃ~」て思ってました。

■水に入って10秒の“ツカミ”が大切

井村 この子たちオモロないのかな、と思ったら、だんだんオモロくなってきて「できるんやったらサッサとせぇ!(笑)」と思いました。アーティスティックスイミングも曲が鳴って最初の20秒、水入って10秒の“ツカミ”が大切なんです。

本多 期待感とワクワク感をあおらなければいけないですね。あのイベントは持ち時間が1組7分だったので、アタマの2分を流しているコンビが多かったんです。講師の中には後半の1分~30秒で印象に残すことを勧める方もいますが、M-1の決勝に残る子は最初の30秒で笑いを取っているんです。1秒でも早くツカんだほうがいい。最初の印象が80点でも、そこから減点してもらえばいい。最初が低いと後で盛り返そうが、なかなか難しい。

井村 私も同じ発想です。演者にとっては「7分もある」と思うけど、そうじゃない。最初に引き付けたら見る人がグッと入ってきますからね。アーティスティックスイミングは競技時間が2分45秒から2分20秒に短縮されました。そのせいで慌てて、ツカミもせずにすぐに演技に入ろうとするんです。でも演技時間を増やすことより“ツカミ”が肝心。曲が始まるまでの20秒、私は選手たちに「審査員の顔を1人ずつなめてきなさい、宝塚と同じで流し目で視線を切らないように、引っ張られると好きになる。相手の気持ちを持っていきなさい」って。そこで期待感をあおるんです。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    佐々木朗希の「独りよがりの石頭」を球団OB指摘…ダルやイチローが争奪戦参戦でも説得は苦戦必至

  2. 2

    巨人元バッテリーコーチがFA甲斐拓也獲得を悲観…「人的補償で未来の大切な戦力を失いかねない」

  3. 3

    “懲罰二軍落ち”阪神・佐藤輝明に「藤浪化」の危険すぎる兆候…今が飛躍か凋落かの分水嶺

  4. 4

    阪神・近本光司「年俸3.7億円」単年契約、来季国内FA権取得も…他球団が冷ややかな目を向ける理由

  5. 5

    巨人入り甲斐拓也は阿部監督の要求に応えられるのか…「絶対的司令塔」に2つの不安材料

  1. 6

    豊昇龍にも“綱とりの権利”はあるが…協会に「双羽黒のトラウマ」、素行や人間性も厳しくチェック

  2. 7

    松本人志の一方的な“言い分”は通用するのか? 吉本ヤミ営業問題と同パターン…「“生の声”を届けたことにはならない」と識者

  3. 8

    兵庫県知事選が関係か? TBS年末特番MC抜擢のオリラジ中田敦彦が炎上のなぜ

  4. 9

    佐々木朗希はロッテの「足枷」だった…いなくなってFA石川柊太の入団がもたらす“これだけのメリット”

  5. 10

    ベイ1位今永を育てたのはハーレー乗りの父と音楽教師の母