令和ロマンは芸歴6年目 異例のスピードでM-1を制した規格外の存在
しかも、くじ引きで1番手に選ばれた彼らは「1番手では勝てない」と早々に勝負を捨てた。そこで、自分たちの勝敗を度外視して、客席を盛り上げてあとから出てくる芸人がやりやすい空気をつくろうとした。
そのためのネタ選びが功を奏して、彼らの漫才で大爆笑が起こり、結果的には最終決戦に駒を進めることになった。
2本目の漫才は、1本目と違ってコント仕立てのものだった。1本目と同様にツカミを丁寧にして観客を引き込み、毛色の違うネタで再びうねるような笑いを起こした。
しかも、無個性なネタの味付けのために加えた「個性的な吉本社員」を演じるくだりが見事にはまり、それも優勝の決め手のひとつになったように見えた。
優勝後の記者会見でも、けろっとした表情でどこか他人事のように戦いを冷静に振り返っているのが印象的だった。
血と汗と涙ではなく、お笑いへの純粋な興味や好奇心と戦略でつかんだ勝利。令和ロマンは新感覚の漫才チャンピオンとして、これからのお笑い界を牽引する存在になるだろう。 =つづく