「千と千尋の神隠し」の主題歌を歌った木村弓さん 長年の体調不良を克服しコツコツと音楽を
木村弓さん(「千と千尋の神隠し」の主題歌を歌う)
先頃、宮崎駿監督の「君たちはどう生きるか」が米ゴールデングローブ賞(アニメ映画部門)を受賞したのに続いて映画賞の最高峰であるアカデミー賞(長編アニメ映画賞部門)にもノミネート。宮崎監督は2001年の「千と千尋の神隠し」でもアカデミー長編アニメ映画賞を受賞しているが、同作の主題歌「いつも何度でも」を、竪琴を弾きながら、優しく澄んだ声で歌っていたのが木村弓さんだ。木村さん、今、どうしているのか。
木村さんに会ったのは、千葉県は流山市内の自宅。立派な2階建てで、新築のにおいがする。
「いえ、建ててからもう10年になります。流山は実家があった縁ですね。米国留学から20代で帰国してしばらくしたとき、ちょうど転勤族だった父について家族が流山に移ったので、私も帰国後はほとんど流山なんです」
木村さん、まずはこう言った。広々としたリビングにはグランドピアノが置かれ、木村さんの竪琴──ライアーが立てかけられている。木村さんの隣には、優しくほほ笑む夫が。現代音楽の作曲家でピアニストの中川俊郎さん(65)だ。