ラジオNIKKEI藤原菜々花アナを直撃!下積み4年…JRA史上初「女性場内実況」までの紆余曲折

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「春を思わせるやわらかな明るい日差しがコースを照らしています」

 3月3日の11時10分、中山競馬場3レース。競馬ファンが集う場内に女性アナウンサーとして史上初めてJRA(日本中央競馬会)の場内実況を担当したラジオNIKKEIアナウンサー・藤原菜々花さんの爽やかな声が響き渡る。「中山競馬場3レースは3歳の未勝利戦です」。藤原さんに場内実況を果たすまでの道のりと今後の目標を語ってもらった。

  ◇  ◇  ◇

古舘伊知郎さんの授業で感銘を受けた言葉

 ──もともとアナウンサー志望と聞いています。

「中学生の頃からアナウンサーを目指し、高校の放送部の顧問から立教大学の放送研究会を勧められて入学しました。大学4年の春学期に大学OBの古舘伊知郎さんが講師として来られた授業には積極的に参加しました。古舘さんの『おしゃべりは発酵物だ』という言葉が印象に残っています。アナウンスメントを磨いていくためには、必ず誰かを真似ることから始まり、キムチを発酵させていくように、真似て真似た先にオリジナルが生まれていくという意味です。今の私も先輩たちの真似をしながら、いつか自分のオリジナルをつくりたいという思いでいっぱいです」

 ──立教大学時代の活動はいかがでしたか?

「一番大きな行事は学園祭でした。毎年芸能人の方を招いた特設ステージでのイベントを主催し、大学3年の時にオーディションでステージMCに選ばれました。橋本環奈さんがゲストだったのですが、観客が殺到して中止になったんです。とても悔しかったです」

 ──就活ではかなり頑張ったそうですね。

「とにかくアナウンサーになりたかったので、北海道から沖縄まで片っ端からエントリーしました。ラジオは大学の2年から4年まで、『湘南ビーチFM』という逗子、葉山のFM放送局に出演していたので、ラジオパーソナリティーにも憧れを持っていました。また、大学3年生の時にTOKYO MXの番組内の中継コーナーで食リポなどを担当させていただきました。ラジオもテレビも両方やってみて感じたのは、ラジオは正解がなく、自由度が高いということです。ラジオのアナウンサーはパーソナリティーともいわれるほど、自分の個性を出してもいい場と感じました」

■面接で「ディープインパクトさん、頑張ってください!」と、酷い実況

 ──ラジオNIKKEIの面接はどうでしたか?

「ラジオNIKKEIは経済と競馬が主要なコンテンツで、女性アナウンサーは主に経済番組を担当していたので、経済のことばかり勉強して臨みましたが、2次面接で『架空の競馬実況』という課題が出されました。A4の紙に6頭の馬の名前が記入されていて、30秒で架空実況するというもの。競馬を知らなかった私は大ピンチ。でもやるしかないので、『ディープインパクトさん、頑張ってください!』と言ってしまって……、酷い実況でした」

 ──大ピンチにかかわらず受かりました。

「面接官と波長が合うと感じていました。7人のアナウンサーの面接官とのやりとりがとても楽しくて、なんて温かい会社だろうと思いました。(架空実況の)酷い内容にもかかわらず2次が通り、3次面接の間まで1カ月あったので、競馬場に通ったり、毎日のように競馬中継を聴きながら練習しました。3次面接では面接官から『1カ月で別人になったね。凄く練習したんだね』とのびしろを評価してくれたのがうれしかったです。また、『もし君が入社したら実況をしてほしい。その覚悟はありますか』という質問に、ためらいなく『やります』と答えました。フィギュアスケート野球が好きだったのでスポーツの実況には憧れがあり、チャンスをいただけるのをうれしく思いました」

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